ファイルサイズ
どのくらいのファイルサイズが 「大きい」のか?
一般的に、ファイルサイズが100 MB(未圧縮)を超えると「大きい」、ファイルが300 MB(未圧縮)を超えると致命的といえます。300 MBを超えるファイルでも作業はできますが、最適なパフォーマンスを得るにはこのサイズを超えない方が良いと言えます。ArchiCAD 10以降ではファイルを圧縮できるので、100 MBの圧縮ファイルは展開した際に300-500 MBのメモリー容量を必要とします。
ファイルサイズを決めるものは?
ファイルサイズを決めるものとして、以下の手順を確認してください:
- ファイルコピーして、元のファイルはバックアップとします。
- ファイル圧縮が有効か確認します。(以下を参照)
- ファイルにIFCデータが含まれているか確認します。(ArchiCAD 13以前のみ、以下を参照)
- ライブラリマネージャーから埋め込みライブラリ全体をエクスポートして、オブジェクトの全体サイズを確認します。
- ナビゲーターを使用して、ファイルから全てのレイアウトを削除して、保存し、ファイルのサイズ縮小を確認します。
- ナビゲーターを使用して、ファイルから全ての詳細図およびワークシートを削除して、保存し、ファイルのサイズ縮小を確認します。
- ナビゲーターを使用して、ファイルから全ての断面図および立面図を削除して、保存し、ファイルのサイズ縮小を確認します。
- Uレイヤー設定ダイアログを使用して、ファイルから全てのレイヤーを削除します。これにより全てのモデルデータが削除されます。まれにこの空白のファイルが非常に大きい場合があります。この場合、元のファイルを新しいファイルに結合して、ファイルの不要なデータを削除します。(以下を参照)
この手順によりどのビューポイントタイプをさらに検証するか明らかになります。その後、ビューポイントを一つずつ確認します。
ファイル圧縮
ファイルのコピーを保存し([名前を付けて保存])、[名前を付けて保存]ダイアログの[オプション]でファイル圧縮を有効にします(ファイルのコピーで調査を行い、元のファイルはそのままにしておいてください)。
IFCデータ
ArchiCAD 13以前のバージョンでは、プロジェクトファイルでIFCアドオンが有効の場合、作成する全ての新規要素にIFCデータを保存します。これによりファイルサイズが大きくなります。IFCコマンドのいずれかを使用した場合にIFCアドオンが有効になり、IFCアドオンをロードしている間は有効の状態となります。また、IFCパネルがツール設定ダイアログのいずれかで有効の場合、IFCアドオンが有効になります。IFCアドオンを無効にするには、[オプション>アドオンマネージャ]で[IFC 2×3]、[IFC Common]アドオンのチェックを外してください。
ArchiCAD 14では、IFC情報はIFCマネージャーを通してArchiCAD要素に関連付けられるので、上記のような現象は起きません。
レイアウトデータ
検討事項:
- ファイル内に50以上のレイアウトがある場合、プロジェクトを別のモデル、別のドキュメントファイルにすることを検討してください(この場合、モデルファイルで設定したビューをドキュメントファイルに外部図面として配置します)。100以上のレイアウトがある場合、複数のドキュメントファイルを使用してください。
- 図面はデフォルトではファイル内に保存されます。つまり、生成された図面は線、塗りつぶし、テキストの集合体としてファイル内に保存されます。図面設定ダイアログの[ID]パネルで、[プロジェクトファイルに図面を保存]オプションを無効にできます。これにより図面がたくさんある場合、ファイルサイズが大幅に縮小します。このオプションが無効の場合、レイアウトを開いた時点で図面が生成されます。外部図面がある場合、外部ソースが常に必要となります。レイアウトを開いた時点で外部ソースから図面が生成されるからです。
- レイアウト上に大きなビットマップ画像があるか探します(例えば、敷地図、測量図面、会社ロゴなど)。大きなビットマップが全て/多数のレイアウトに配置されていないことを確認してください。
- 切り取られた図面があるか探します(例えば、全体平面図/断面図から切り取られた部分詳細など)。詳細図面を作成するには詳細図あるいはワークシートツールを使用し、その詳細図あるいはワークシートを図面としてレイアウトに配置してください。
埋め込みライブラリオブジェクト
埋め込みライブラリ(英文)機能は、プロジェクト独特のライブラリ部品をファイルに保存するための実際的な手法です。各埋め込みライブラリオブジェクトはファイルサイズに追加されるので、プロジェクトに特有の項目だけを埋め込むようにしてください。また、埋め込みライブラリには使用していないオブジェクトが無いようにしてください。使用していないオブジェクトはライブラリマネージャーで削除できます。
ファイル内のオブジェクト数を確認するには、ライブラリマネージャーを開いて[埋め込みライブラリ]タブを確認します。オブジェクトを選択すると、サイズとプロジェクト内の配置数が表示されます。
埋め込みライブラリ全体のファイルサイズはライブラリメネージャーからエクスポートすることでも確認できます。
詳細図とワークシート
詳細図とワークシートを賢く使用することで、ファイルサイズを縮小できます。BIMの間違った解釈は、建物全体を!:1スケールでモデル化すると言うものです。しかしこれは実際的ではありません。平面図、断面図、立面図が1:50スケール以上詳細に作成されることはほとんどありません。より詳細な図面が必要とされる場合、詳細図ツールやワークシートツールを使用して、建物の一部を精度の高いスケールで表現します(詳細図およびワークシートの違いについては、ArchiCADリファレンスガイドをご覧ください)。ただし、以下の点を検討してください:
- 詳細図およびワークシートには大量のデータが含まれます。モデル要素が線や塗りつぶしに分解され、元のモデル要素よりも大量のファイルデータベースを使用する場合があります。例えば、壁は平面図では単一の要素ですが、5つの新規要素(塗りつぶし1つ、線4つ)に分解されます。
- Use the 線の整理 及び 塗りつぶしの整理を使用して不要な線や塗りつぶしを詳細図やワークシートから削除してください。
- プロジェクトに不要な詳細図は保存しないでください。例えば、ファイル内に標準的な個別詳細図がある場合、テンプレートファイルの全ての詳細図を保存せず、必要な詳細図のみを残します。
- 詳細図やワークシートにホットリンクモジュールを配置することもできます。これは詳細図を外部ファイルからインポートする一つの方法です。例えば、「標準詳細図ライブラリ」と言うファイルを用意して、各フロアに1つの詳細図を保存しておきます。その後、必要なフロアをホットリンクモジュールとして詳細図に配置します。
断面図と立面図
検討事項:
- 断面図および立面図には大量のデータが含まれます。モデル要素が線や塗りつぶしに分解され、元のモデル要素よりも大量のファイルデータベースを使用する場合があります。例えば、壁は平面図では単一の要素ですが、5つの新規要素(塗りつぶし1つ、線4つ)に分解されます。
- 線の整理 および 塗りつぶしの整理を使用して、不要な線や塗りつぶしを断面図や立面図から削除してください。
- プロジェクトに不要な断面図や立面図は保存しないでください。「作業用の」断面図は必要がなくなったら削除します。
2Dビューで要素を数える
矢印ツールを選択後に全てを選択コマンドを使用して、全ての要素を選択します。情報ボックスに現在のビューの合計要素数が表示されます。
選択セットの編集コマンド([編集]>[要素設定])を使用してタイプ別に要素数を確認できます。
検討事項:
- BIMプロジェクトには数百から数千の要素が平面図や断面図に保存されています。10万以上の個別要素がある場合、大きなファイルサイズの原因の一つです。通常はDWGや他の他社製アプリケーションからのコンテンツです。ファイル内には本当に必要なデータだけを保存してください。DWGデータが一時的に必要な場合、ワークシートに保存して必要がなくなったら削除するという手法を用いてください。
ファイルを新しいファイルに結合する
非常にまれに、ファイルから全ての建物要素を削除しても大きい場合があります(空白のArchiCADファイルは圧縮しない状態で1-2 MBです。ファイルで定義された属性の量によります)。これは、ファイル内に保存されているものの使用されていない不要なデータが含まれていることになります。この問題を解消するには以下のことを行なってください。:
- 元のファイルを開きます。
- [最後の設定を使用]オプションで新規ファイルを作成します。これにより同じ属性セットの空白ファイルが作成されます。
- 1階以外の全てのフロアを削除します。1階の階高が正しいことを確認します。
- 元のファイルを新しい空白のファイルに結合します。
- 結合ではフロアだけがコピーされるので、断面図、立面図、詳細図に作成した全ての2D要素は別途コピーしてください。
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