このバージョンでは、Solibri Office の機能と使いやすさをさらに向上させる、いくつかの大きな改善を加わっています。
待望の「ITO (情報の取り出し)や分類での数式機能」のほか、「計測ツールの改善」、そして「Autodesk Construction Cloud / BIM 360 との課題連携のさらなる改良」などが含まれています。
さらに、ルールの更新や、さまざまな不具合の修正も行い、より快適にご利用いただけるようになりました。
#1. 数式機能( フォーミュラ)の追加
多くのユーザーから要望のあった数式機能が、ITO(情報の取り出し)および分類に対応しました。
Solibri Office 上で、ワークフローの強化、データの動的処理、計算の自動化が可能になります。
主な新機能のポイント:
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数式タイプの追加
ITO テーブルには新たに「数式」タイプのカラムが追加され行単位のダイナミックな計算が可能 -
分類(Classification)に数式対応
従来の手入力に加えて、数式による値の生成を使い分け可能に。条件分岐や分類がより柔軟に対応。 -
カラムラベル表示(A, B, C...)
ITO や分類の各列にラベルが付き、数式内での参照が直感的に。 -
数式の入力支援
数式は=
で開始。入力中に関数やカラム名の候補が自動補完され、スムーズな作成をサポート。 -
カラム順変更時の参照自動更新
カラムの並びを変更しても、数式内の参照は自動的に更新され、保守性を確保。
これらの拡張により、Solibri Office 内でのデータ抽出・操作・分類作業が、より柔軟かつ高機能に進化しました。
▶︎詳細は リリースノート数式機能解説ページ をご覧ください。
#2. 計測ツールの機能強化
従来の「距離ツール」は廃止され、より高機能かつ柔軟な新しい計測ツールに置き換えられました。
この新ツールは独立したビューとして実装され、コントロールと操作性が大幅に向上しています。
主な新機能のポイント:
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任意の2点間の距離計測
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複数点を通る全経路長(トータルパス)の測定
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2線間または3点間の角度の測定
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勾配(スロープ)の測定
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コンポーネント単体の表面積、指定点で囲まれたポリゴン面積、および体積の計測
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選択した各点の3D座標の表示
これらの拡張により、Solibri Office におけるモデルの解析・検証作業が、これまで以上に正確かつ効率的に行えるようになりました。
#3.Autodesk Construction Cloud / BIM 360 課題連携の強化
Solibri Office では、Autodesk Construction Cloud(ACC)および BIM 360 との課題連携機能がさらに拡張され、Solibri から直接 ACC / BIM 360 上の課題へアクセスできるようになっています。
機能の追加・改善のポイント:
- ビューポイント情報が課題に含まれるようになり、両プラットフォーム間での課題追跡がより明確に
- Autodesk 側の「優先度」「ラベル」「ステージ」などのフィールドを、Solibri 上で設定可能に
- 双方向同期に対応し、Solibri と Autodesk 間での課題情報のリアルタイムな整合性を保証
一部の Autodesk 課題フィールドは、正しくマッピングするために特別な処理が必要です。
また、ビューポイント画像の添付を有効にするには、指定のプロジェクトフォルダ構成を作成する必要があります。
Solibri 上から課題コメントの追加は可能ですが、編集は不可です。
さらに、Solibri 側で作成された課題の 3D ビジュアライゼーションには制限があり、Autodesk プラットフォームでは Solibri 生成のビューポイントが完全にはサポートされていません。
これらの改善により、複数プラットフォーム間での課題管理がよりスムーズになり、プロジェクトチーム全体での連携強化に貢献します。
#4. IDSエディターの機能強化
Solibri のIDS(Information Delivery Specification)エディターが大幅にアップデートされ、Solibri 環境内でIDS の定義・管理・調整を直接行えるようになりました。
これにより、プロジェクトの各フェーズにおける情報要件を、一貫性と整合性を保ちながら構造的に定義できるようになります。
IDS と Solibri のチェック機能を併用することで、初期段階から正確で明確なデータ品質を担保し、仕様準拠を確実にサポートします。
この IDS エディターは、有効なサブスクリプションまたはサービスライセンス契約をお持ちの Solibri Office ユーザーであればどなたでもご利用いただけます。
Solibri アカウントでログインのうえ、以下よりご利用ください:▶︎Solibri IDS Editor にアクセス
#5. 新ベータ拡張機能:Carbon Checker Germany(Ökobaudat)
Solibri は新たに、Ökobaudat(エコバウダット) データベース連携による Carbon Checker 拡張機能(ドイツ版)に対応しました。
この拡張機能により、BIMオブジェクトに汎用的なCO₂排出係数(A1~A3)を組み込むことが可能になり、Solibri Office 内でのカーボンフットプリント分析を支援します。
主な機能:
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Ökobaudat(エコバウダット) データベースから事前登録された排出係数を自動で取得
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材料別、コンポーネント種別、専門分野別の詳細なCO₂算出が可能
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ドイツ語・英語の両言語対応で、利用の幅がさらに拡大
この拡張機能は、Solibri Solution Center経由で提供されており、Solibri 管理者がユーザーに割り当ててインストールできます。(日本での利用については現在調整中です)
▶︎改善点とバグ修正などの詳細はリリースノートに記載されています。
▶︎最新バージョンにアップデートして、新しい機能を活用してください。
原文(英語)のリリースハイライトはこちらへ
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