コンテインメントの関連性
名前が示すように、コンテインメントはあるコンポーネントに別のコンポーネントが含まれている場合に存在します。例えば、建物コンポーネントにはフロアが含まれ、フロアにはスペースなどのコンポーネントが含まれ、スペースには他のコンポーネントが含まれます。
サンプルモデル(SMCビル.smc)の構造を見ると、1階にスペースMen [104]が含まれていることがわかります。そのスペースにはトイレとシンクの2つの衛生配管コンポーネントが含まれています。
Men [104]スペースを選択すると、情報ビューの[関連]タブに、スペースのコンテインメント関連が表示されます。
リストされたそれぞれの関連の前に、関連の方向を示す矢印アイコンがあります。前方は、右を指すアイコンで示され、後方は、左を指すアイコンで示されます。このスペースは1階(Ground floor)のサブ要素であるため、コンテインメント関連では後方となります。また、衛生配管ターミナルはこのスペースに含まれているため前方になります。本質的には、より詳細になればなるほど前方となり、逆に、上の階層の要素を参照した場合は後方となります。
1階(Ground floor)を選択した場合、Mens [104]スペースに対して前方コンテインメントの関連になります。
したがって、論理的には、コンポーネントAがコンポーネントBに対してある関連タイプの前方関連を持っている場合、コンポーネントBはコンポーネントAに対して同じ関連タイプの後方関連を持っています。結果は、関連するモデルコンポーネントの階層になります。
関連は、プロパティ値の比較[SOL /231]ルールの比較するコンポーネントドロップダウンで「関連するコンポーネント」を選択することで使用できます。
以下のこのルールの例では、各フロアに少なくとも1つのトイレがあることを確認するためのパラメーターが指定されています。フロアを確認しているので、フロアが[確認するコンポーネント]テーブルに設定されています。コンテインメント関連を使用しているため、[比較するコンポーネント]ドロップダウンは[関連するコンポーネント]、タイプは[コンテインメント]、方向は[前方]が選択されています。
[関連性チェーンを従う]*チェックボックスがチェックされているのは、フロアとトイレに直接(選んだ方向1つ目)のコンテインメント関連がないためです。
代わりに、フロアにはスペースが含まれ、スペースにはトイレが含まれます。最後に、各フロアで少なくとも1つのトイレを探しているので、比較するコンポーネントにはトイレとして分類されたコンポーネントを設定し、目標値には数値(番号)で1、数量では[数]を選び≧(大なりイコール)を使用します。
*[関連性チェーンを従う]、チェックを入れると選んだ方向をたどり、該当するコンポーネントを参照します。また、同じタイプの関連に限りますのでご注意ください。
返される唯一の結果は、トイレを論理的に必要としない屋上(roof)階に関するものです。このフロアは、ルールパラメータの[確認するコンポーネント]テーブルで無視に設定するか、結果を単純に承認することをお勧めします。
ドア、開口部、壁のボイドおよびフィリングの関連性
ドアと壁の間には直接のコンテインメントの関連はありませんが、代わりに開口部コンポーネントに対するフィリングとボイドの関連がそれぞれ存在します。
モデルでドアを選択すると、ドアは開口部を「埋める(フィリング)」するため、開口部コンポーネントに対して前方のフィリングの関連があることがわかります。ただし、ドアと壁の間に直接の関連は存在しません。
情報ビューにリストされている開口部をダブルクリックするとコンポーネントを切り替えられます。ドアへの後方のフィリングの関連と壁への前方のボイド関連が表示されます。
2つの異なる関連タイプであるため、プロパティ値の比較[SOL /231]ルールを使用して「壁とドア」を比較することはできません。代わりに、ゲートキーパールールを使用して壁の開口部を返すことができます。壁の開口部をサブルールに渡して、開口部を満たすドアをチェックします。
関連を使ったルールチェック
防火壁(ここでは、耐火性能=定義済みの壁を防火壁とします)に対して次の確認を行います:
- 防火壁に含まれる全てのドアに耐火性能が定義されていることを確認
- 防火壁に含まれる全てのドアの名前がF〜で始まっていることを確認
この例のサンプルファイルは下記の添付ファイルからダウンロードできます。
1. 防火壁に含まれる全てのドアに耐火性能が定義されていることを確認
ファイルは、ドアが取り付けられた4つの壁で構成されています。
以下に、耐火性能がある壁とドアを確認できます(耐火性能のない壁とドアを非表示にしています)。左から1番目と3番目が防火壁(耐火性能を持つ壁)ですが、3番目のドアには耐火性能が定義されていないのがわかります。
確認を実行すると、3番目のドアのみが結果として表示されます。
ルールセットの中身を詳しくみてきましょう。
「ゲートキーパー: 耐火性能を持つ壁の開口部」には次のパラメーターが設定されており、前方のボイドの関連を持ち、耐火性能が定義済ではない開口部を結果として返します。
耐火性能が定義された壁に含まれる開口部のみがこのチェックに合格するため、ルールセットマネージャーでこのゲートキーパールールに対して「合格したコンポーネントのみを確認」を選択します。
これらの開口部は、サブルール「開口部に含まれるドアの耐火性能の確認」に渡されます。このルールは、それらの開口部が、耐火性能が定義されているドアに対して後方の関連があることを確認します。ドアは開口部を埋めているため(フィリング)、方向は後方になっています。
結果として、防火壁に含まれるドアで耐火性能がリスト以外の値、または未定義のものが検出されました。このサンプルでは問題のドアに耐火性能のプロパティがそもそも存在しないため、[不明な情報/プロパティ]となっています。
防火壁に含まれる全てのドアの名前がF~で始まっていることを確認
1つ目のサプルールを少し改良を加えます。[比較するコンポートのプロパティ]を名前に変更し、目標値のタイプをテキスト、値を「F*」に設定します。
結果として、防火壁に含まれるドアで名前がF~で始まらない、一番左のドアが検出されました。3つ目の壁のドアの名前は[FSD1]なので、条件を満たしています。
関連を使った情報の取り出し
各スペースの[最も近いスペース]に関連する窓とドアの情報を取り出します。この例のサンプルファイルは下記の添付ファイルからダウンロードできます。
窓とドアの関連を確認すると、スペースに対して後方の関連になるのでカラムでは下記のように設定を行なっています。
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